筋
最近、「下町育ちって人の特徴は?」と
聞かれたことがあり、
ふだん余り考えもしないような質問だったので、
ちょっと戸惑った。
もちろん、東京だけを取ってみても、
下町というのは、城東、城南、城北、
そして一部の城西に、
それぞれそう言える土地があって、
その4カ所でも住人の特徴ってのは、
結構違うもんだし、
ひと口に“下町っ子”と言っても、
当然、千差万別。
お洒落じゃない奴がいれば、
気っ風の悪い奴もいるし、
物に執着する奴や、
あんまり潔さのない奴だっているわけだ、
…って全部俺じゃねえか。がっくり。
ただ、その時一つ思いついたのは、
“筋というものを重んじる”ということである。
知り合いを思い浮かべても、皆、
“必ずや筋は通す“、もしくは、
“筋の通らないことはしない”、ってことでは、
一貫している。
どんなミーハーな奴でも、
そのことにだけはかなり注意を払ってるし、
例えば、自分が人に、
何か“筋の通らないことをしてるかも”と、
少しでも思うような時は、
そのことに関して、
たとえ自分が筋を通したつもりでいても、
相手にとってはそうでない場合が、
多いものだ…ということも知悉している。
よって、その場合はふだん以上に、
筋を通すことに気を遣う、となるわけだ。
…と、言い方は違うけれど、
そんな風に、質問には答えたのだった。
つまり、
己が筋を通すことには極力神経を配り、
反面、筋を通さないことをされるのには、
我慢がならず激怒する、と、
それが、下町育ちの一つの特徴だと思う。
というか、回りにいる下町育ちの特徴。
ああ、面倒くせえなあ…な人たちではあるし、
筋、筋と、何だかヤの業界みたいな話でもあるけれど。
もっとも、「我慢がならない」と怒るにしても、
実際そういうことをされた日には、
根に持って復讐にかかる、とかじゃなく、
「まぁ、川向こうな人だからしょうがねえか」と、
蔑視の対象にするとはいえ、早々にすっぱり諦めて、
切りつけちゃうってのも、良くない特徴なんですが。
いや、こういう話をしても、
所詮、川向こうな人は、
そもそもが鈍だから、「はぁ?」ってな感じだろうし、
そういう人とは、
どこまで行っても相容れないわけだから。
あと、「川向こう」って言っても、
あくまで住んでる場所の話じゃないよ。
そういう人ほど、得てして、
何の因縁もないのに、
山手線の環内に住んでたりすることも多いわけで。
「Tokyo」カテゴリの記事
- フツーのリアリズム(2012.08.25)
- お立ち台(2012.08.11)
- 祭2012シーズン3(2012.06.10)
- 祭2012シーズン2(2012.06.09)
- AもBも(2012.06.05)
The comments to this entry are closed.
Comments