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2004.03.22

僕らは

東京の子~♪ という歌がある。
誰もが憧れの~♪ か
誰もが黄昏の~♪ に続く。
まぁスミレ団の歌なわけだけど。

昔、一緒の事務所で働いていたことがある人の
奥さんに偶然、会った。
いや、会ったのは偶然ではなく、
自然なんだけど、会う過程に至るまでが偶然というか。
知人の営む写真スタジオのそばに、
彼女の家族、つまり、
一緒に働いていたことがある人の家族が住んでいて、
子供どうしの付き合いの関係で、
知人の家族と親しくしているとのことだ。
言われてみると、奥さんの顔には、
確かに見覚えがある。

その奥さんの旦那、
つまり一緒に働いていたことがある人は、映画監督で、
当時、事務所の仕事はそこそこに、
でも事務所に泊まり込みながら、
メジャーでの配給が決まった自分の映画の、
シナリオを書いていた。
で、夜食用の弁当を持ってきた彼女に、
何回か会ったことがある。
それ以来、恐らく15、6年ぶりの再会。
「~さん、奥さんいらしてますよ」と事務所の中に通すだけの、
そんな程度の顔合わせだった人と、
15、6年後に会うのは、すごく変な感じがする。
しかもその旦那と自分とは、
事務所を辞めて以来、会うことはなかったし、
知人宅の近所には、
あくまでたまたま引っ越してきただけということだから、
やっぱり偶然以外の何物でもない。

実は、一緒に働いていたことがある人は、
かなり女性好きで、各地を放浪しては…という話を、
本人から聞いたことがある。
一緒に働いていた間に耳にした話では、
奥さんとも、いわゆる“できちゃった結婚”だったらしい。

当時、彼が書いていたシナリオは、
大手流通系のスポンサーがついて、劇場で公開された。
…が、邦画の常で、興行成績はいま一歩。
また、あの業界にはよくある話なのだが、
そうやって表にでてしまったために、逆に仕事が減ってしまい、
以後、いろいろ苦労があったらしい。
才能も、人脈も、ないわけじゃない人だったが。

奥さんとは、5分ぐらい立ち話をした。
「いや、ウチのは、子供の集まりなんかも含めて、
自分が中心になれないような所には、
絶対出てこないのよ」とのこと。
まぁ、そういう人だったよなとは思う。

それでも、一緒に働いていた当時は、
15年後に、
ちゃんと家庭を保持しているとか、
奥さんの顔が代わらないでいるとか、
正直、想像できなかったので、
その意味でも、15年経って、
奥さんと立ち話をしているのは、
非常に不思議な感じだった。

いや、“縁”の話とかをしたいんではなくて、
単純に変な感じ。
一緒に働いていたことがある人とは、
たぶん、今後も会うことはないだろうし。
でも、そうか。あの時お腹にいた子が、
今、弟と一緒にいる彼なんだな。

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