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2004.04.01

答えはない。なぜなら問いがないからだ@デュシャン

で、
「黄泉がえり」を観てたわけだ。

監督は、「どこまでもいこう」も、「月光の囁き」も、
「ギプス」も、「害虫」も、
個人的には、どれも異様に面白かった塩田明彦。
彼の、初めてのメジャー?作品ということになるのか。
(「害虫」も日活作で、
製作にTBS入ってたりするメジャー作だけど)

当然、それまでと違う“お仕着せ”の部分があるわけで、
それこそが、人も金もケタが変わるメジャー作たるもの、
逆にキャストにしろ、話の展開にしろ、
ちょっとなーってところが出てきたりするんだけれど、
片や、そういうこと、つまり興行だの、大衆性だの、
わかりやすさだの…からの要請に拮抗して、
撮りたいものを貫いてる部分も随所に見られて、
さすが。
誰にでも奨められるし、奨めたくなる、
上質の「メジャー作品」だろう。

…なんてことを考えてたわけではなくて、
夏川結衣の「死国」を、
裏返したような話になってんのかなー、とか、
ぱっと見の、とっかかりの雰囲気は、
「サトラレ」だよなーとか、そんなことをボーっと。
でも、最初に劇場で観た時同様、
一番連想が働いたのは、やっぱり「異人たちの夏」か。
ラスト以外ホントに泣ける、あの作品を思わせる構造。
大林好きじゃないんだけどさ。

というか、長澤まさみ扮する中学生・森下直美が、
消え去る運命の彼氏に対して、
「絶対に忘れない」と言い、
何より、そのセリフが胸に引っかかった。
いや、
「絶対に忘れない」なんてことはあり得ず、
喪失感すら忘れていくというのが、
人間の、本当のところだろう。
そこらへんの機微は、
唯一全部読んだ長い本「失われし時を求めて」の、
「消え去ったアルベルチーヌ」の章に詳しく、
また、山田太一の小説的には、
「異人たちの夏」も、だから切ないわけだ。

要するに、主人公が見つけたとモノローグした答えは、
答えではない。
なぜなら問いがないからである。
…とか何とか、
信じられない驚異のプレーの連続だったとか、
あのナカムラってやつだが、ありゃ何だ?とか、
対シンガポール戦の記憶について、
絶対に忘れてやると思う今日この頃だった。完。

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