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2004.10.08

解剖

と言うと、「エデンへの道」という、
思いっ切りウルトラスな作品がすぐ脳裏に甦るわけだけど、
こっちは解剖実習のシーンが出てくる、
塚本晋也監督の新作を観てきた。

次々と新しい女に手を出していく、ピカソのようなタイプと、
あるモチーフをしつこくストーカーして深化させていく、
例えばポール・デルヴォーのようなタイプと、
まぁ映画監督にもそういう2つのタイプがあるとすれば、
塚本は間違いなく後者だろう。

物語は、塚本版「世界の中心で…」と言うような、
哀切極まりないラヴ・ストーリーである。ウソだけど。
「世界の中心で…」、本も読んでないし映画も観てないし。
いやいや、“哀切極まりない”の方はホント。
塚本版「うたかたの日々」と言った方がいいのか?
そういや「ヒルコ/妖怪ハンター」も哀切ではあったな。
あれは原作(諸星大二郎)があるわけだけど。

とりもなおさず前作「六月の蛇」より受けそうな話だとは思う。
個人的には“またアンタかい!”な浅野忠信主演だし、
話の破綻度は少ないし、音はでっかいし。
さらにキャスティングを言えば、
草刈民代の後輩なのだそうだけれど、
すでに素晴らしく華のあるダンサーの柄本奈美と、
もう一人の準主役 KIKI とのコンポジションも悪くない。
あと國村準とか、岸部一徳とか手堅く。
で、國村準の「また話をしにきてくれないか」が、
泣ける場面が多い今作の中でも泣けるセリフ大賞。

ただ。話の流れ的にはともかく、
あの面白い素材、あの固有のスタイルにして、
ああいう終盤、そしてああいう幕の引き方が良かったのか、
正直何とも言えないところではあった。
もちろん、今ここで言及するつもりはないけれど、
あり得ない方向へと進めていった方のが良かったかもと。
いつの間にか木野花が写真になってたように。

でも。かと言って、
鬼面人を驚かす結末がいいのかと言われると、
それもまた微妙なところ。
別に、観念だのアートだのが売りの監督ではないわけで。
となると、あれでいいのかもしれない。
難しい。

よって分け隔てなく、誰にでもオススメ。

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