八百君
昔、ある幼稚園で先生に怒られた子がいた。
人を傷つけかねないような仕掛けを作ったのをチクられ、
先生に追及されたところで、
作ったのは自分じゃない、と言い張ったのである。
結局、その子の全面自白にて一件落着したのだけれど、
先生は、「ウソをついても、それは必ずバレる。
だからウソをついてはいけない」と、きつく戒めたのだった。
ところで、幼なじみのその子のことはよく知ってるのだけれど、
以後、「ウソをついてはいけない」の方向ではなく、
「“必ずバレる”ことのないウソをつく」という方向に、
どうやら進んでしまったようである。
先生の教えは、強い印象こそ残したものの、
役には立たなかったらしい。
三つ子の魂とはよく言ったもので、
思うに子供の時の気性や性格というのは、
たとえ教育などを受けて後天的に何かを与えるにしても、
実はそうそう変わるものじゃない、のではないだろうか。
年を取れば取るほど、そんな気が強くなってくる。
そして、
その子は今もウソをつき続けてるのだった。
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