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2005.09.07

夏の終わりの

…という題で、↓のようなことを書くつもりじゃなかった。
即興してしまった。ついインプロ。てなわけで、

夏の終わりの成瀬巳喜男

そういえばふと思い出したんだけど、
“尾道三部作”とかで有名な大林宣彦という監督がいる。
最近では、そう、よく知らないんだけど、
宮部みゆきの「理由」かな。今調べた。ネットで。
とにかくその大林監督。
自作についてもペラペラよく“語る”し、
個人的には全く肌の合わない部類の人なんだけど、
彼の映画に「異人たちとの夏」という作品がある。
駄作。
ある箇所が全体をぶち壊しているという意味で。
いや、そんな誰もがそう思うような感想は、
どうでもいいんだけど、この映画、風間杜夫が主人公で、
そのキャスティングもはなはだ興をそぐんだけど、
彼の両親を描いたサウダージな部分、これが何というか、
たまんないんだわ。
泣く。何回見ても。いや、演芸ホールの客席に、
親父が座って声をかけてる最初の場面でもう泣ける。
傑作。

江戸っ子の親父は職人気質の板前で、
自分の意にそまないことがあったりすると、
すぐやめちゃう。
それを若かりし日の楽天的な母ちゃんが、
「しょうがないよねぇ父ちゃんは」とか何とか、
笑いながら、息子に「お前も夕飯食べてきな」、
と言ったりしてる。
アパート住まいで生活はとってもつましいんだけど、
ね、泣けるでしょ。楽しそうでさ、2人とも。

肩切り姿の親父には鶴太郎が扮してて、
そいつはまぁ、
当たり前といや当たり前にはまってんだけど、
お袋さんの秋吉久美子も色香が程良く漂ってて、
しゃきしゃきっとした下町言葉も、
あんなおばさんいたいた、ってな感じ。
見ているとほんとサウダージ風味に泣けて泣けて、
メシ3杯は軽く行けるね。

ってことで、映画のその部分だけを、
夏の終わりに儀式として見るのだった。夏を送る儀式。
原作は、そういや理江子の親父さん、山田太一。
考えてみりゃ大林作品というよりは、
山田太一の作品なんだな、この映画の色は。
鶴太郎が息子に言うんだよ。
「あんまり仕事なんてしてないで遊びな。
年とってから遊んだって面白くねえぞ」
泣く。

成瀬巳喜男はどこだよ。←で落とそうとしてた。
でもその落ちだとつまんないから、
どうしようかなあって思ってたら、インプロしちゃいました。
ではまた来週。

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