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2006.08.22

大岡昇平

踏み外しの全てはそこに始まってた気も、
しないわけではなく、ただ小川町生まれながら、
特に自分にとっては渋谷っ子を代表する存在だった氏の、
両親が和歌山の人というのは記憶から抜け落ちていた。

富永太郎を知ったのは10代の時読んだ氏の本からで、
説明しろと言われると甚だ困難なものの非常に東京的な、
諦念とか含羞とかシニカルさの入り混じった東京的な作品に、
強烈な執着を覚えたまま今日に至るになっているのだった。

さるいかめしい黒塀の角を曲がつたとき
球をつくキユーの花やいだ響きに
見上げる眼にふと入つた
薔薇色の天井に張りわたした蜘蛛手の萬國旗......

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