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2006.09.29

天高く馬肥ゆる秋刀魚の味スターバックスタンドリーチキン

小説については、
20年ぐらい前に「失われし時を求めて」を読んで以来、
ほとんどと言っていいほど読んでいないので(師匠を除く)、
人気作家が誰か、とか、そういうことすらも、
よくは知らないのだけれど、保坂和志という作家がいて、
折に触れ、興味をひかれる人だと、
よくは知らないくせに、思ってる自分がいるのだった。

その保坂さんのあるエッセイでこういう箇所があった。
小津の「長屋紳士録」という映画の中で、役者が喋る、
江戸の下町言葉が快いというエッセイを読んだ話なのだけど、
ある下町言葉の台詞に対し、
“何だかとても懐かしい言い回しを聞いたように思い、
すっかりシビレてしまった”、と書かれてる所に彼は引っかかり、
調べてみると、そのエッセイの著者が、
埼玉生まれであることがわかって、非常に違和感を覚えたらしい。
もちろん生まれが埼玉であっても、少年期を下町で過ごしたとか、
下町言葉を喋る親戚がいたとか、ならそう問題はないのだけれど、
彼はこのように書く。

「せめてそれぐらいの関係が下町となかったら「懐かしい言い回し」というのはおかしいんじゃないか」

そしてこう続ける。

「敢えて文章を書く人間として、言葉と気持ちの接合点だけはいい加減に扱ってはいけないと私は思うのだ」

“いい加減に扱っている”例の方は、
あらゆる所でいくらでも見出せるだろう。
CMやら雑誌やらのコピーから、
個人的には、某ニュース番組の第4学区司会者が、
ウィルスのように広めたと思ってる、
空疎な修飾語満載の“話芸”アナウンスまで。

第1学区出身者としては、
いい加減に扱われると癇に障る。
もちろん「文章を書く人間」以外の人には、
“まみれるな!”って程度の話なんだろうけど。
広告屋の“芸術”や“スポーツ”に。

でも「文章を書く人間」は、そんなに少なくもないと思う。

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