祈るような気持ち
夜、公園の野球場の横を通ると、
いっつもどんな仕事の人たちなんだろうと思う、
親父たちが草野球をしていた。
足を止め、ひと休みすることにして、
アキレス腱なぞを伸ばしたりしながら、
しばしまったりと試合の流れを追う。
とはいえずーっとはこうしてもいられないので、
次にカツンと快音が響いたら行こうと、
切りをつけやすいルールを決めたのだった。
…で、
20分だよもう。
フォア・ボールや盗塁や三振で、
試合は進んじゃぁいるのだけれど、
何たってボールが前に飛ばねえんだよ。
だんだん寒くなってきて、
体も冷えてきちゃったしなぁ…
と、バックネットに顔押しつけんばかりにして、
これほどまで必死になって見てる観客は、
他には絶対いまい。
というかこうまで身を乗り出されてるとは、
奴らの誰も思いもしてないだろう。
つうかさぁ。
何でチャッチャと打てないんだよおら。
別に目の覚めるような当たりの長打を要求してる、
ってんじゃないんだからさあ。
ピッチャーももっといい球投げてやれよ。
ちっとも当たんないじゃねえか。どころか、
てめフォア・ボールばっか出してんじゃねえよ。
あ゛ーイライラする!
何でイライラしなきゃいけないのかよくわかんないから、
余計イライラする。イライライライラ。
うわまたチェンジかよもカンベンしてくれよ、
てかベンチまで走れよこの野郎、あ゛ー、缶投げるぞこら。
ちきしょー腹減ったぞ帰りてえよー!ったく!がああ!
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