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2007.05.11

フランドル

第59回(2006)のカンヌ審査員特別グランプリ、
しかも99年に「ユマニテ」で同賞を獲ってるので、
2度目の制覇!…てなふれこみだったんだけどね。
正直に言うと、かなりイマイチだった。
まぁ去年は、審査委員長・王家衛だったし。笑。

何がダメかと考えるに、何か薄いんだよ。
ネットとか見ると、“重い”という感想があったけど、
重い?
個人的にはやっぱり“薄い”、だな。
何か、頭ン中でこねくり回したようなストーリー。

特に戦地の場面は致命的に近い感じ。
人間の劣悪さに迫る部分は、
イメージで逃げてるような感じすらあったし。
そう、ここぞという場面の描写が量的に足りないんだよ。
セックスしたり、拷問したり、家族を襲ったり、
もっと徹底的にしつこくあくどく描写しなければ、
重み、どころか、リアリティさえ出てこない。
“残虐”どころか、画面がキレイキレイすぎるし。
女主人公が何で精神病院に入ったのかも描写不足、
あれじゃ意味不明。
というか、「説明」しろってんじゃないんだよ。
もっと時間かけて描いてもらわないと。

で、そこまで端折ってるとこが多いから、
ラストもピンとこない。
「え、そんなんでおしまいなのかよ」
強引にまとめられた感じ。

ただ、公平を期するなら、
ことフランドルの風景に関しては、
恐ろしくリアルだった。
じっくり獲られてるし、その点については、
賞賛するにやぶさかではない。
画面に力を感じた。タイトルにはウソはないと思ったり。

つまり、人間の原罪がどうのこうのってな話なら、
フランドルで猟奇犯罪が起こって、ってな展開の方が、
遥かにスムースだったような気がする。
もちろん「ユマニテ」でもうやってるから、
意識して違うことやったんだろうけどさ。
“戦争”は安易だったかな。

戦争に行って、帰ってきて、を描くんだったら、
最低全体の3分の2ぐらいは“戦争”に費やさないと。
2時間の映画だと、1時間20分ほど。
でもそれだと、
フランドルの風景のリアリティは存在しなかったろうけど。

実は、フランソワ・オゾンなんかも、
頭ン中こねくり型みたいな感じで、
デビュー時からどうもピンと来ない人なんだけど、
今のフランスの監督ってそうなのかねぇ…。

いずれにしてもグランプリというのはちょっと。
まぁカンヌだけど、笑。
お金あれば、あそこほどいいとこもないし。
いいすぎ。

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