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2008.05.09

ヒトという狂事

昔からヒトの中にある“キチガイ”の部分に、
ずっと関心があって、
いや、そう書くと、
うまく表現し切れてない感じがありありなんだけど、
例えばオバケは怖くないのに、
感覚が鈍磨しているサイコやゾンビみたいなものに、
異様な恐怖心を抱いていたり、
近ごろ映画まで上映され、
連日大入りのこの人(リンクは切れてる模様)を始め、
アウトサイダーの芸術家に、
自分でも理解できないほど心が惹かれたり、
何の変哲もない日常に、突如立ち現れ、
噴き出してくる凶変事に、
怖さ半分、目を奪われる半分だったり、
とにかく、かなり遠巻きにしつつも、
小さい頃からずっと引っ張られ続けている自分がいる。

精神分析、のような、いかがわしい学問を、
大して信じてるわけでもないのだけれど、
春日武彦、という、松沢病院の現医長がいて、
6年間の産婦人科医から精神科医に転じた、
変わり種、らしいんだけど、この人の書く本は、
いつも手にするのは偶然ではあるものの、
非常に面白い。個人的にも、
そういう精神科医は非常に珍しい。

例示するなら、

そもそも、あまりにも分かりやすいもの・単純明快なものは、たとえ魅力的ではあっても見えない部分に大きな歪みを内在させているのが普通である

だの、

性欲にせよ物欲にせよ名誉欲にせよ、何かぎらぎらとしたものが人を駆り立て行動原理となっているのなら納得がいく。だが(中略)むしろ腰砕けというか拍子抜けというか、とにかく何か呆気ないものにこそ真実が宿っているような気持ちにわたしは傾いてしまうのである

だの、

正常な人間がある日を境に狂気へと踏み込んでしまったというイメージそのものが誤っている。かなりの程度に精神が狂っていようとも、日常生活レベルではほとんどそれを感じさせないように振る舞えるのが、大多数の人間なのである

だのの文章(どれも文春新書の「不幸になりたがる人たち」)は、
狂気遠巻きな人間にとっては途轍もなく“クル”のであった。

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