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2009.06.10

ウルトラミラクルラブストーリー

そこは、ヒトメボレ?…みたいな形で、
明示されず、ビミョーに描かれてるんだけど、
陽人は、なんで町子先生を好きになったんだろう?

町子先生は、確かに“美人”という扱いになってるけど、
「美人だから好きになった」、
ってのはちょっと違うような。
特に陽人のキャラクター的には違う。
「地元の若い女の子にはない何かを感じた」、
なんかはもっと違う。
そういう聡い選び方はあり得ないよな。
経験ないんだし。

かといって町子先生は、
例えば底抜けに優しい、とか、
そういう頭抜けたキャラ付けがされてるのでもない。
単に東京から来た、まぁ都会的といえば都会的なお姉さん。
陽人に東京に憧れがあるわけでもないし、
じゃ、なんで町子先生を好きになったんだろう?
最初のうちは、
それがずっと引っかかってた。

でも途中から、
“恋愛映画”じゃないことがハッキリしてきて…

いや、これが“恋愛映画”なら、
主人公がどうして相手を好きになったのか、は、
ウヤムヤにしちゃあ絶対的にマズイけど、
“恋愛映画”じゃなければ、
そんなのどうでもいいことだ。
実際、最初の引っかかりはだんだんどうでもよくなった。
“恋愛映画”じゃないんだから。

映画が、“生者”と“死者”の境が曖昧な、
ゾンビ映画になっていくあたりから、
この“なんちゃって恋愛映画”は、
どうなっていくんだろう、と展開の読めなさに、
ひたすらワクワクだったんだけど、
それにしても、あのラストにはたまげた。
ラストすげー。
そして町子先生の笑顔。あれ、すごく腑に落ちた。

うまく説明できないんだけど、
監督が撮りたかった「ラブストーリー」は、
“恋愛”の「ラブ」じゃなくて、
誰かが自らを与えることで別の人が新たな命を得るという、
生命の循環というか、リンネテンセーというか、
そんな、もっと広い意味での、
ウルトラでミラクルな「ラブストーリー」なんじゃないだろうか?

さらに特徴的なのは、
その“与える”“与えられる”が“食う”に直結してるという…
たぶん男の監督だったら、
十中八九セックスを持ち出すところ、笑、
観念的なことじゃなくて、具体的なことに、
結びつけていく。
そこらへん、女性監督らしさもとても感じたり。

陽人は最後ああなって、
危うく恋愛系の感動を呼びかけちゃうんだけど、
そこで終わらず、すぐに式が映し出されて、
誰もあんまり感情的になっておらず、
その後もある意味ダラダラと物語は続いていく。
“カンドー”とか“イヤし”とかは思いっ切り拒否してるよね。笑。

うんこTV局(+うんこ代理店)絡みではない、
邦画にしては、異例のプッシュ率の(だと思う)、
横浜聡子監督の新作で、
めったにそんなこと思わないんだけど、
「ジャーマン+雨」の次が、これほどの出来なら、
やっぱうううううーとうなり声を上げざるを得ない。
横浜聡子恐るべしだ。

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