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2011.03.29

カズ

自分も時々FWをやるのでわかるけど、
スタメンじゃなくて途中から出て、
限られた時間で点を取る、というのは、
そりゃもう並大抵のことじゃない。
さらに試合が、W杯とまでは言わないけど、
代替が効かないような重要な試合、
しかも負けてるわけだろ、
その上、メンツがレギュラーじゃないとはいえ、
相手は日本代表なわけだろ、
自分よりはるかに若いのもいるわけだろ。

「持ってる」とかいう安い言葉は、
個人的にはでーっ嫌いなんだけど、
というか、「天才」なんかと同様に、
言葉に携わる仕事の人は安易に使うのは、
恥ずかしい言葉だと思うけど、
ちょっとその言葉がアタマをよぎって、
恥ずかしかった。苦笑。
(例えば82年スペインW杯の、
パオロ・ロッシぐらいなら、
言ってもいいかもしれないけどさ)

確かに彼は、
ここでどうしても、という時に、
決めてくれる選手だった。
それだけでも、彼への評価には、
何の揺らぎもなかったわけなんだけれど、
それでも、あのゴールは驚異的だった。

ただ、ゴールもそうなんだけど、
それ以上に心を動かされたことがあって、
それは、今日の試合の開催発表後に、
出された彼のメッセージ、
つまり彼の「言葉」である。

このたびの大震災の被災者の方々に、心からお見舞いを申し上げます。被害に遭われた方々にとって、この2週間が、その1分1秒が、どんなものだったかを思うと、おかけする言葉も見つかりません。生きているとはどういうことなのだろう、サッカーをする意味とは何なのだろう。そういったことを見つめ直さずにはいられなかった日々のなか、思わず頭をよぎったのは「今のオレ、価値がないよな」ということ。

「生きるための明るさを 三浦知良・サッカー人として」
からの引用。
全文はネットでも見つけられると思う。

未曽有の悲劇からまだ日は浅く、被災された方々はいまだにつらい日々を送っている。余裕などなく、水も食べるものもなく、家が流され、大切な人を失った心の痛みは2週間では癒やされはしない。そうした人々にサッカーで力を与えられるとは思えない。むしろ逆だ。身を削る思いで必死に生きる方々、命をかけて仕事にあたるみなさんから、僕らの方が勇気をもらっているのだから。

このメッセージもそうなんだけど、
その前に、TVか何かで、
彼が「何て言ったらいいかわからない」と、
コメントしたのをたまたま耳にして、
“ああ、言葉をきちんと使う人なんだな”と、
鮮明な印象が残ったのだった。
自分にとっては、ある意味今日のゴール以上に。

もちろん憶測でモノを考えるのが、
よくないことはわかってるけどさ、
あの時々で、W杯に出られなかったことが、
まさにそれこそが、今のカズを作っていると、
自分は思っている。
何が幸いか不幸かなんて、
人間にとっちゃわかり得ないことなのかもしれない。

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