(秘)色情めす市場
今回の日活100周年祭には、
結局4、5回しか行けなかったけど、
個人的には田中登監督の、
復習講座って感じだったかな。
ついでに「妖女伝説’88」や、
「屋根裏の散歩者」なんかも見返したし。笑。
「(秘)色情めす市場」は、
いろんな知識を外して見ると、
「歩く」映画、なのが新鮮だったな。
主人公のトメが西成を歩く歩く。
あと、宮下順子と萩原朔美の、
サイド・ストーリーがめちゃくちゃいい。
朔太郎の孫の朔美さんとは、
四谷三丁目にあった頃の、
イメージ・フォーラムで何回かお会いしてんだけど、
こういう人だったんだね。笑。
「人妻暴行致死事件」、
アレは室田日出男の目線で見る方が、
より面白いというのも新発見だった。
最初はどうしたってエロ視点、
つまり若者視点で見るのが普通なんだけど、
年取ると室田日出男に感情移入する…
のは石井隆の「死んでもいい」も同じなんだけど。笑。
殺された嫁を目の前に、母親にその死を責められて、
「(嫁が)俺のもんだ。触らないでくれ」というセリフ。
凄いねえ。
もちろん室田日出男がまた素晴らしいんだけど。
ところで、VシネやAVを見慣れている目には、
ロマンポルノがちっとも扇情的でないことに、
改めて驚いたりした。
扇情的どころか、エロなシーンは、
声こそハデながらしばし退屈だったりもする。
それよりもむしろ、ヤバ目の場所や人々が映ったり、
気違いだの百姓だの、
今ならギャーギャー騒がれる言葉が、
ポンポン自然に飛び交ってることに、
表現の奥行きみたいなものを感じた。
AVの今と、どっちがいいんだろうね。
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